海岸地方では塩害に強い結束バンドの使用が欠かせない

電気設備といえば工場やオフィス、住宅などさまざまな施設の内部に設置されていますが、照明や電飾など、屋外にも数多く存在します。

屋外の設備は屋内よりも厳しい環境で長期にわたって使用されるため、それにふさわしい耐久性を備えている必要があります。具体的には紫外線や温度変化、風雨などに耐えられる頑強さが求められますが、塩害もそうしたものの1つに数えられます。塩害とは、大気に含まれる塩分が物質を腐食させ、性能を劣化させることをいいます。

よく知られているのは海岸地方における塩害で、海水に含まれる塩分が風に乗って陸地に飛んできて、金属を錆びつかせます。金属だけでなく、木材や樹脂なども塩分による被害の対象となります。屋外の電気設備には、たくさんの樹脂製品が使われています。最も多いのは接続ケーブルの被覆部分と、そのケーブルを束ねている結束バンドです。

結束バンドとは複数のケーブルをひとまとめにしておくための材料で、配線工事を行う際には欠かせないものの1つです。この結束バンドが塩害によって破断すると、それまで束ねられていたケーブルが垂れ下がって通行のじゃまになったり、地面にこすれて被覆の劣化が早まったりします。こうしたことから、海岸地方などの屋外電気設備に使われる結束バンドには、塩害に対して特に耐性の強い素材のものが用いられます。炭素を配合した特殊な樹脂のほか、場合によっては金属製のバンドが使われることもあります。

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