日用品で使ったり、ケーブルを束ねるのに使ったり、園芸で使われることもある結束バンドですが、材質によって使われる用途も変わってきます。
よく使われるナイロン樹脂の結束バンドには白いものと黒いものがあります。どちらもある程度の耐候性がありますが、紫外線による影響を受けないように遮蔽財が添加されているのは黒いナイロンのものです。
屋外で結束バンドを使用する際には、過酷な環境でも耐えることができる耐候性のあるものを使用するのが一般的です。耐候性ナイロンの寿命は7~8年と言われています。しかし天候や紫外線による劣化以外の耐候性を考慮をしないといけないことがあります。
塩害の影響がある沿岸地域では塩化カルシウムにも耐える仕様のものを使っています。屋外で結束バンドが使われる場面として、太陽光パネルを設置する際、亜鉛メッキされた架台に設置をされるのですが、各モジュールから配線されるケーブルには結束バンドが使われます。亜鉛メッキが酸性雨、沿岸地域での塩水に反応して塩化亜鉛を発生する可能性があるため、塩基に強い材質のものが求められます。また沿岸部でなくても寒冷地などで融雪剤や凍結防止剤を頻繁に使用する地域でも、融雪剤の主成分は塩化カルシウムなので、塩害に強いものを使ったほうがいいでしょう。実際に寒冷地では沿岸地域同様に融雪剤に対応するというのは当たり前のように行われています。耐候性のあるものでも気候やその地域で使われているものによって選ぶ材質は違ってきます。また適切な材質を選ぶことで事故を未然に防ぐことができます。