降雪地帯では耐候性に優れた結束バンドが必要

厳しい冬の寒さは人間にとって過酷な環境ですが、街路灯や広告看板などの屋外設備にとってもそれは同じです。

気温が下がると霜が発生し、機械などの中に入り込んだわずかな水分が膨張して故障の原因となります。また、降雪による重みは設備を破損するおそれがあります。屋外の電気設備にはよく結束バンドが使われていますが、冬場には破断などのリスクが発生します。ケーブルを1つに束ねておくために使われる結束バンドは石油系の樹脂が素材になっていることが多いのですが、夜間の氷結と日中の直射日光による温度の激しい変動によって劣化しやすくなります。これを防ぐには、耐久性に優れた特別な樹脂を素材とする製品を用いるなどの工夫が必要です。

降雪地帯においては、意外なものが結束バンドにとってのリスクになることもあります。それが、融雪剤です。路面や住宅の屋根などの降雪を手早く片付けるため、雪が積もった後は融雪剤を散布することがありますが、この融雪剤の主原料となっている塩化カルシウムは、樹脂などの物質を腐食させる作用を持っています。

そのため、屋外の電気設備に使われている結束バンドに融雪剤が降りかかると、品質の低下、引いては破断などの事故の原因になります。結束バンドの中には、耐候性ナイロンとか耐候性ポリプロピレンといった樹脂を素材としたものがあります。これらは通常のナイロンやポリプロピレンを加工して製品寿命を延ばしたもので、温度変化や直射日光に加えて塩害にも強いという特性を備えています。

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